矯正治療
(矯正治療は見た目を美しくするためだけの治療ではありません)

日ごろ診療をしていて、また、学校健診をしていて、多くの方が不正咬合であることに気づかされております。一生自分の歯で生活をしていこうとするとき、不正咬合は色々な問題を生じてしまいります。

1.前歯、奥歯(臼歯)の並びがみだれている
(叢生、Crowding)ための問題

a.Brushingが難しく、虫歯、歯周病が進行しやすい。
b.上下がうまく咬み合わなく、咬合する歯が少ない。(咀嚼能率が悪い)

2.出っ歯になっている
出っ歯は、上・下の顎(アゴ)の相対的位置関係です。下顎が後退しているためと考えます。奥歯が低いため、前で咬めない方です。(骨格性)

3.受け口になっている
前歯の先端だけで咬んでいたり、まったく反対になって下の前歯が上よりに前に出ている方です。奥歯だけで咬むことになります。

4.開口
前歯がまったく咬めず、もっとひどい場合一番奥の歯だけが当たって、他はまったく咬めない場合

正常咬合の場合、きれいなアーチで上下の理想的な位置で咬んでいると、奥歯(臼歯部)の働き(しっかり咬むとき、咬み合わせの力を支持)前歯の働き(食べものを最初、口に入れるときに働く。咬み合わせを左右にずらしたとき、力を受ける働き)ができるのですが、

不正咬合(1~4)では、

1.咬み合わせの支持ができない。
2.歯をずらしたとき、奥歯が当たってしまって、奥歯の負担が過剰になる。

その結果、早い時期に奥歯を失ったり、歯が擦り減り、歯が割れたりする原因となります。

そこで、当院では、不正咬合を治す手段として、矯正治療を考えております。矯正治療は、不正咬合をダイナミックに改善する手段なのです。


不正咬合
悪い歯並びを総称して不正咬合といい、心身に大きな影響を与えます。


不正咬合による心身への影響
■食べ物が歯の間にはさまり、歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病になりやすい。
■食べ物をよく咬み砕けず、胃腸などの消化器に負担がかかる。
■上下の顎の発育や、顔の成長に影響を与えて、不調和をもたらす。
■上顎と下顎をつなぐ顎関節症になりやすい。
■咀嚼筋の発達に影響を与え、筋力のバランスが崩れて姿勢も悪くなる。
■構音機構に影響して、正しい発音がしにくくなる。
■視力低下の原因になるといわれ、学力や運動能力の低下を招きやすい。


正常咬合
きれいな歯並びで、よい咬み合わせを正常咬合といいます。

正常咬合になれば、多くの問題が解決します。上下の歯が正しく咬み合い、歯の接触面積が広くなり、咀嚼効率が向上し、食べ物の消化・吸収が促進され、心身共に健康な成長発育を示します。また、健全な咀嚼運動は脳神経の血流を促進し、老化防止にもつながります。

 当院では、矯正治療をする年齢は、
小学生から(主に咬合育成をする。正常咬合に導く、骨格性不正咬合になる原因を取り除く)
70歳代まで(かぶせる治療をするとき、治療をしやすくするため)
本格的治療は中学生のころ、第二大臼歯が生えそろってから開始します。
大人になってからでも治療はできますので、本人が“やりたい”と決心したときが好機と考えます。(親の希望だけでは本人の協力が得られません。)

 前の歯は抜かない(非抜歯治療)
よく親御様から、お子様たちの矯正治療をしたいと相談したところ、第一小臼歯や第二小臼歯を抜歯しなさいと言われ、納得できないという相談を受けます。

 

<矯正治療と抜歯> 

不正咬合を根本から治療するためには、原因である「奥歯の咬み合わせの不調和を治す必要があります」

多くの場合、奥歯の咬み合せの不調和を生んでいるのは親知らず(第3大臼歯)です。

当院では、現在の咬み合わせを検査した後、奥歯の抜歯部位を決めます。

その結果当院では、ここ10年間、第一小臼歯や第二小臼歯の抜歯はせずに治療しています。

抜歯して矯正治療をしたときの問題は、
1.上、下の歯列(アーチ)が小さくなってしまいます。(歯列の中にある舌のスペースが制限される)
2.咬み合わせに一番重要と考える犬歯、小臼歯(3番、4番、5番の歯)がうまく咬めない。
3.奥歯の咬み合わせの高さが低くなってしまう。(咬合支持不足)
非抜歯にすると十分な上下の歯列(アーチ)の大きさが確保でき、犬歯、小臼歯の咬合を作ることができて、奥歯の十分な高さを保つことができるのです。

初診診断
問診や視診をしながらお口の状態を確認します。矯正歯科治療を始める場合には、精密検査も行います。


精密検査
歯の写真、顔の写真、歯のレントゲン写真、頭部のレントゲン写真、歯列の模型、などの治療計画に必要な資料をおとりします。症状により顎関節のレントゲン写真や顎運動の検査もします。


矯正歯科診断
矯正歯科治療は、動的治療と静的治療(保定)の二段階に分かれています。

・静的治療(保定)に入ります。

治療計画に従い、いろいろな矯正歯科装置を使って歯を動かし、段階的に治療を進めます。
上下の歯が計画通りに動いて、次第に正常な咬み合わせになると、最終段階で仕上げの治療をします。
動的治療が完了すると矯正歯科装置をはずし、静的治療に入ります。

 ・定期健診として年に1~2回通院します。

動かした歯を支えて保護するために保定装置を使います。
その期間は通常2、3年ですが、場合によっては成長が終了するまで必要になることもあります。
動かされた歯が完全に保定されると、静的治療も終わります。その後は、定期健診として、年に1、2回通院します。


● 治療症例-1

● 治療症例-2

● 治療後のお二人

歯並びがよくなり、笑顔が素敵になりました♪